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新刊と宇宙

 遅ればせながら、新刊お手に取っていただきありがとうございました。
こんばんは、ポエマーです。
 
 私が同人活動を始めた数年前は「ポエム漫画」は
「抽象的で意味不明なモノローグを中心とした、独り善がりな雰囲気漫画」
という意味の自虐で言っていたものですが、
最近はお褒めの言葉とともに「ポエム」と言っていただくようになりまして、
胸を張ってポエっています。
 
 ちょっと前に出した新刊のあとがきが諸事情により
「宇宙だいすき!」の7文字のみとなり、
旧来の意味での「ポエム」ぶりに拍車をかけてしまいましたので、
今更ですが個人のブログという最高の独壇場をお借りして言いたかったことを言います。
 
 そう、宇宙が大好きです。
 
 小学生の頃に宇宙少年団というものに入っていました。
YAC(ヤック)って略すんですけど、Young Astronauts Clubの頭文字だったんですね。
今調べました。
宇宙飛行士の講演を聴いたり、JAXAに行って人工衛星を見たり、
天体観測会は全て雨でしたが、
とっても楽しい、魂に宇宙を刻み込まれる経験でした。
 
 高校では文系だったので理系科目として地学を履修。
地学とは言うものの、地球の核から宇宙の果てまでをカバーする教科です。
公転周期とか会合周期の計算だとか、温度による恒星の区分とか、
そういうことがめちゃくちゃ楽しくてだいぶ成績が良かったです。
ついこの間も双子座流星群の観測会に行ってきました。
一度は見た方がいい、流星群。
 
 そんなわけで、
宇宙を題材にしたあの新刊は、
「宇宙、エモいよね~」
みたいなアレじゃなくて、
人生のだいぶ深いところに食い込んだ概念と、
性癖を超えた私の人間性の根幹みたいなものを題材にしていることになるので、
たぶん、読んでいただいた以上の質量があのページ数に怨念のように込められた、
赤色矮星のごとき高密度本だったんですよね。
 
 ちなみに、赤色矮星もそのエネルギーを失うと黒色矮星という完全に冷え切った天体になり、これになるには数兆年かかると言われているのでまだこの宇宙上には存在しえない天体なのですがこれがエモくて、
 
まあいい。
 
伝わりにくいかな、
というより、
そんな重さとか私の個人的な感慨などどうでもよくて、
アバブと夜空の親和性や恋愛感情を取り扱う二次創作をする上で天文学という、
ある意味繊細さを欠いた学問を引用することの滑稽さ
みたいなことがメインだったので、
上述した思い出話に特に意味はありません。
 
 しかし、私はオタクなので、宇宙に興味を持ってくれるオタクが増えたらいいな、
天文学はいいぞ、エモいぞ、
ということが誰かに伝わってたらいいな~と思います。
 
 アバブはさんさんと陽の差す昼のイメージでないことは、なんとなくわかるかと思います。
白と黒の明確な対比で構成される外見は、日中に必要ないと思う。
彼らの作中の運命からも、眠りについていく印象がある点も、
夜に結び付いているのかなと思います。
 年齢の割に大人びていて、静かで落ち着いた雰囲気の二人が、
自分たちの状況を宇宙という途方もない規模のものに例えたり、
宇宙人などの手軽な単語を使ってみたりしてたらすごく可愛い。
目の前で刻一刻と変化していくはずである人間の心理を前にして、
1万年単位で現象が進んでいく天文学に思いを馳せることの見当違い。
 
最高~~......
 
嬉しくなっちゃう。
 
 読み返してみたら、結構意味不明でいわゆる「ポエム漫画」だったので恥ずかしくなりましたが、
少なくとも描いた本人は「最高」って思ってましたよ。
アバブの可愛さに感想もいただいたりして、すご~くありがたかったです。
二次創作として推しカプの良さが伝わっていれば100点満点ですわ。
やった~
 
 この本に向けて星の命名権を購入したり、
天体望遠鏡を買ったり、
最新の宇宙論から制作された4KのCG映像30分を5回見直したり、
いろんなことをしました。
楽しかったね。
 
 しばらくは同人活動をお休みにしますが、
重たい宇宙の同人誌があったら、その時はまた、
宇宙のことをよろしくお願いします。